第47回例会では中小製造業の受注処理の効率化について議論しました


皆さま、こんにちは。今回担当の「公的レポート調査」分科会メンバーの大井です。

9月29日の研究会では、「導入開発プロセス研究分科会」から「中小製造業の受注処理 × AI-OCR」をテーマに、負担の大きい受注処理にAI-OCRを活用し、注文書の読み取りから販売管理システムへの登録までを効率化する方法について報告がありました。当日は、実際のデモも交えながら、活発な意見交換が行われました。

1.今回の個人的な感想

印象に残ったのは、Claude Coworkを活用し、様式の異なる注文書から必要な情報を読み取り、CSVファイルにするまでの流れを実際のデモで確認できた点です。2通りの方法で読み取り結果を比較したり、マスタ情報と照合したりすることで、精度を高める工夫も参考になりました。これまでシステム化が難しかった業務も、AIエージェントの活用によって、以前より短期間・低コストで仕組みを作れるようになったと感じます。一方で、何を読み取り、どのように確認するかという要件は事業者側が整理する必要があり、この点は従来のシステム導入と変わらないと思いました。複雑な技術はAI技術者に任せ、事業者は自社の業務や課題を整理して伝えることが重要だと感じました。

2.今回の内容について

それでは今回の内容は以下のとおりです。

(1)教えてもらったこと

  • 今回の仕組みでは、Claude Coworkを使って注文書を読み取り、必要な情報を整理してCSV化しています。これまで人が行っていた「読む・判断する」作業についても、AIエージェントを活用することで、以前より低コストで仕組みを構築できるようになっています。
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  • AIの精度を高めるため、2通りの読み取り結果を比較する、マスタ情報と照合する、過去の取引と比較するといった仕組みが組み込まれていました。AIに任せきりにせず、人が確認することを前提に設計することが重要です。
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  • 既存システムとの連携には、CSVなど一般的な方法を活用することが重要です。特定のシステムに依存しすぎない構成とすることで、他の販売管理システムなどにも展開しやすくなります。

(2)この手法によって企業が得られるメリット

  • 注文書の読み取りから販売管理システムへの入力までを自動化することで、事務担当者の入力作業を減らすことができます。特に受注件数が多い企業では、日々の定型作業を大きく減らせる可能性があります。
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  • 取引先ごとに様式が異なる注文書でも、AIを活用することで柔軟に対応しやすくなります。帳票ごとに細かな設定が必要だった従来型OCRと比べ、仕組みを作る負担を軽減できる可能性があります。
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  • ・AIエージェントを活用することで、従来よりも短期間・低コストで業務用の仕組みを構築できるようになり、中小企業でもこうしたツールを導入しやすくなる可能性があります。

(3)導入に向けての企業の課題

  • AIの読み取り精度は100%ではないため、誤りをそのまま業務に流さない仕組みが必要です。どの項目を自動処理し、どのような場合に人が確認するのかなど、実際の業務に合わせたルールを決める必要があります。
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  • AIを導入する前に、自社の業務を整理し、何を読み取らせたいのか、どのデータと照合するのかを明確にする必要があります。AIが進化しても、事業者側が要件を整理し、AI技術者に伝える必要がある点は変わりません。
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  • 品番や取引先などのマスタ情報を整理することも重要です。データが正確に整備されていることで、AIによる確認や照合の精度を高めることができます。また、注文書には機密情報も含まれるため、セキュリティや利用ルール、現場での運用方法についても検討が必要です。

(4)中小企業診断士が支援できること

  • 企業の業務を整理し、どこに問題があるのか、どの作業をAIに任せるのかを明確にしたうえで、AI技術者に伝える要件を整理することができます。
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  • AI導入によってどの程度の効果が得られるのかを試算し、導入費用と削減効果を比較することで、経営者が投資判断できるよう支援することができます。
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  • AI-OCRの導入だけで終わらせず、受注、販売管理、生産管理など周辺業務も含め、業務全体の改善につなげる支援ができます。
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  • AIツールそのものを開発するというより、AI技術者と企業の間に立ち、経営面と現場面の両方から導入を支援することが、中小企業診断士の重要な役割になると考えます。

3.まとめ

今回の事例では、様式の異なる注文書をClaude Coworkで読み取り、チェックしたうえでCSV化し、販売管理へつなげる仕組みが示されました。AIによって中小企業でも業務の自動化を進めやすくなる一方、業務や要件を整理する重要性は変わりません。診断士には、事業者とAI技術者をつなぐ役割がますます求められると考えます。