第16回の月例では工場改善が劇的に進化させるAIについて学びました

皆さま、こんにちは!事務局を拝命しております西本です。

今回は動画データをAIを使って分析して、あらゆる改善に結びつけるシステム『AIマシンビジョン』というシステムツールについて学びました。

工場はIE手法やQC活動などで、組織的に改善を進めるのはセオリーです。しかしこれらを進めるには、データを収集して分析し、要因を類推して対策を施すなど、人手と考察による対応が必要です。しかし今回のシステムは、人工知能を学習させることによって、動画からデータを読み取るれる機能を実装できるテクノロジーを開発しながら、サービス提供しているとのこと。これはマジで未来の話だと感動しながらレポートさせていただきます、笑。

1.今回の個人的な感想

今は動画を使った分析はおおむね人手に頼っているのが事実です。しかし前述したように、撮影動画から関連数値をデータ化できるなら、品質管理、工程管理、作業時間管理面で仕組み化が可能であることになります。これがデバイスを設計して実装してデータ収集・分析するIoT機能よりもはるかに簡単に実現できるとなると、本当に未来型のデータ収集法ということになりますよね。いやはやすごい時代になったな、というのが正直なところです。

2.今回の内容について

今回の内容は以下のとおりです。

(1)教えてもらったこと

・このビジョンシステムは、製造現場の数値化と分析に特化しており、AIと深層学習技術を用いています。
・システムは、作業の効率と品質管理を向上させる、あるいは物理的に生産進捗を把握することが可能です。
・具体的には、車のリクライニングシート製造や車いすの組立ラインの作業動画から多くのデータを抽出でき、それらを分析することで今後の改善へのきっかけとする事例が紹介された。

(2)このツールによって企業が得られるメリット

・効率的な作業プロセス:自動化による時間短縮と効率向上。
・品質管理の向上:不具合の早期発見や予防が可能に。
・データに基づく意思決定:収集されたデータを活用して、生産プロセスの最適化。

(3)導入に向けての企業の課題

・インフラ整備:適切なカメラ設置とネットワーク接続の確保。
・技術への理解と適応:新しい技術への理解と従業員のトレーニング。
・コスト(90万円/月)と投資回収期間のモニタリングと評価。

(4)中小企業診断士が支援できること

・導入プロセスの支援:技術選定、コスト評価、効果的な導入計画の策定。
・教育とトレーニング:従業員への技術トレーニングと教育プログラムの提供。
・継続的なサポートと評価:導入後のパフォーマンス評価と改善案の提案。

3.まとめ

このセミナーは、AIと深層学習を活用したビジョンシステムの可能性と、それが製造業においてもたらすメリットに焦点を当てたものでした。企業がこの技術を導入することによって、作業プロセスの効率化、品質管理の向上、そしてデータ駆動型の意思決定が可能となります。なにより、IoT実装をしなくても動画から解析できるところが、将来に改善におけるスタンダードツールになることが想像できます。今後、これらは業種や課題別にパッケージ化され、エンジニアサポートなしで運用できるようになれば、中小企業でも手の届く価格におさまることが予想でき、数年後に期待が高まるところです。重ねて思いますが、すごい時代になったものです、笑。