第43回例会では「分科会活動」がスタート!「中小企業のデジタル化導入プロセス」について深く議論しました

皆さま、こんにちは。今回担当の岡田です。
5月26日の研究会では、新方針である「分科会運営方式」に移行してから最初の定例会が開催されました。今回は「導入プロセス開発研究分科会」からの発表を中心に、中小企業のDX推進における課題や、私たち中小企業診断士が果たすべき役割・実践的アプローチについて熱い意見交換を行いました。

1.今回の個人的な感想

これまでのインプット主体の活動から一歩進み、分科会という形でテーマを絞って継続的に取り組む方針になったことで、研究会の取り組む方向性がより一層明確になったと感じます。
AIを含む数多くのITサービスが登場し、技術的なハードルは下がっているように見えますが、IT人材が不足する中小企業が本当に成果を上げるためには、伴走する診断士の役割が不可欠であると再認識できる非常に有意義な会でした。

2.今回の内容について

それでは今回の内容は以下のとおりです。

(1)教えてもらったこと

  • 中小企業のDXは「守り」に偏重している実態
    国内中小企業の多くはIT人材不足に悩んでおり、DXへの取り組みも業務効率化やコスト削減といった「守りのDX」に留まりがちです。欧米のように「新たな価値創出」という攻めの視点へ引き上げることが課題となっています。
  • ITベンダーとの違いと診断士の差別化ポイント
    特定のシステム販売を目的としない中立的な立場だからこそ、経営戦略に真に整合した提案が可能です。特に、導入前の経営者と現場のギャップを埋める「要件定義」と、導入後に泥臭く伴走する「定着化支援」こそが診断士の真骨頂となります。
  • 経営者のタイプに応じた実践アプローチ
    積極的な経営者 手段の目的化(ツール導入ありき)を回避させ、現場のキーパーソンを巻き込みながら「攻めのDX」へ視点を誘導する。
    消極的な経営者 IT用語を封印し、身近な課題(残業削減等)からアプローチする。法改正(インボイス・電帳法)、補助金などをきっかけに、スモールスタートでの成功体験を積んでもらう。

(2)議論されたこと

今回の会では、ツール選定の効率的な手法についても意見交換が行われました。ネット検索だけでは表面的な情報しか得られず、資料請求でもハードルが高いという課題に対し、「生成AIに要件を与えて比較させる手法」などが提案されました。
また、分科会予算を活用し、実際にツールに課金してベンダーのレスポンス等をリアルに検証していく実践的な方針も提案されました。

(3)中小企業診断士が支援できること

中小企業診断士は、単なるツールの目利き(kintoneやfreeeなどの特徴把握)やプログラミング能力ではなく、現状(As-Is)と理想(To-Be)を論理的に設計する「業務プロセスのモデル化能力」を活かした支援を得意とします。
生成AIの普及により、表面的な知識は誰でも手に入れられる時代だからこそ、現場で起こる泥臭い課題や注意点を先回りして整理し、クライアントに「AI以上のアウトプットと安心感」を提示する伴走型支援を提供していきます。

3.まとめ

次回の発表(9月)では、さらに踏み込んで「受発注業務の効率化」に焦点を絞り、具体的な事例検討を実施する予定です。今後の分科会活動を通じて、当研究会としての価値創出がさらに深まっていくことを確信させる内容でした。