第24回例会では図面から検査表を自動作成する『検査表システム』について学びました
皆さま、こんにちは。研究会会員の田邉です。
8月の月例会では「検査工程業務の自動化・効率化を実現する『検査表システム』のご紹介」というテーマで、アンドール株式会社の村田様よりご講演頂きました。
1.今回の個人的な感想
アンドール株式会社様は、CAD/CAM/CAE関連の製品開発・販売やソフトウェア・ハードウェアの受託開発を行っていらっしゃる会社様です。今回は数ある製品の中から、「検査表システム」についてご紹介頂きました。
このシステムでは、DXF/DWG/PDFなどの一般的なCADのファイル形式の図面データから検査表を自動で作成することができます。
主な特徴は以下の5点です。
1.寸法情報の抽出: 図面内の寸法線を囲むだけで、寸法情報を自動的に抽出する。
2.抽出寸法の確認: 寸法線一覧で選択した寸法情報を図面上でハイライト表示する。
3.検査番号の作図: 抽出した寸法情報に採番し、図面に番号を作図する。番号の順番変更や移動も可能。
4.検査値の評価: 入力した検査値が公差範囲内かどうかを自動的に判定する。
5.Excel/Word出力: 寸法情報、計測結果、図面属性、図面画像をExcel/Wordに出力する。
商品数が多く、部品の製作後の検査工数が多い企業ほど、本ソフトの導入による時間とコストの削減効果が大きく表れるのではないかと思いました。
2.今回の内容について
今回の内容は以下のとおりです。
(1)ゲストから教えてもらったこと
当日は商品紹介に加えて、実際のソフトの操作デモまで行って頂きました。
BtoB向けの専門的なソフトウェアは、なかなか普段触れる機会はありませんが、操作毎に丁寧なデモを行って頂いたおかげで、ソフトの概要を理解することができました。
(2)このツールによって企業が得られるメリット
・手作業による転記ミスや見落とし、作成時間の短縮といった効果が期待できます。例えば、ある企業では1週間かかっていた作業が60分に短縮された事例があります。
・人為的なミスを減らし、正確な検査表を作成できることで、クレームや手戻りを削減することが可能です。
・検査業務を効率化し、品質保証部門のDX化を推進することが可能になります。
(3)導入に向けての企業の課題
・まずこの「検査表システム」が対象となる導入先は製造業の品質部門になります。品質部門にヒアリングを行い、品質部門の課題がこのソフトが解決できる課題に合致しているかを確かめる必要があります。
・費用面では、永久ライセンスの買い切り型と年間使用料方式(サブスクリプション)の2タイプが提供されています。企業の予算に合わせて選択できる柔軟性があります。
さらに、15日間利用可能な体験版も用意されている、とのことで、自社品質管理部門の検査表作成工程が大きく時短できそうな手ごたえが掴めた場合は積極的な導入も検討できるのではないかと思います。
(4)中小企業診断士が支援できること
・品質課題を抱えている製造業に対して、アンドール様の製品を紹介する形での支援が考えられます。
3.まとめ
アンドール株式会社の検査表システムは、製造業の検査業務における課題を解決し、DXを推進するための有効なツールとなると考えられます。
ひょうごデジタル研究会では、今後も
・デジタルツールやAIツールの学習
・それらを用いた中小企業の経営支援
を継続して参ります。