第24回例会では中小企業診断士業務と生成AIツール活用について学びました

202407

皆さま、こんにちは。広報担当の田中です。
7月の月例会では「中小企業診断士業務と生成AIツールの活用事例について」といった内容で、当研究会の西本診断士から実際の診断士業務で生成AIをどのように活用しているのかを解説していただきました。

生成AIの活用方法だけではなく、診断士としてどのような戦略を持って稼げるようになっていくのかといったとても興味深い内容となっております。

1.今回の個人的な感想

今回は診断士のAI活用法というテーマでしたが、前半部分は診断士がコンサルティングとして独立して生計を立てていくためのパターン分け、およびそれぞれのパターンで必要なスキルの分析でした。単なるAIの使い方にとどまらず、プロのコンサルティングとして生きていくために何が必要なのか、そのためにAIをどう活用していけば良いのか。最前線で活躍されている西本診断士の経験とノウハウがつまった内容で、とても参考となるものでした。

2.今回の内容について

今回の内容は以下のとおりです。

(1)使用しているAIツールとその特徴

ここでは後半部分のどのような生成AIツールを活用されていたかを取り上げたいと思います。
生成AI
・Chat GPT:一通り揃っていて何でもできる。まず使ってみるならこれ。
・Claude:Chat GPT の Open AI 出身技術者が作っている生成AI。機密保持性が高いため診断士としても使いやすい。
・Gemini:Google が開発しているAI。機密情報は扱いにくいが、とても自然な文章をアウトプットしてくれる。

・Perplexity:ネットを検索してくれるため、検索エンジンのように使える。
・Chat HUB:複数のAIを同時並行的に使って比べられる。

(2)このツールによって診断士が得られるメリット

様々なAIを活用することによって、以下のようなことを実現されていました。
1)新規企業の情報収集
2)公的業務におけるレポート作成
3)民間業務における報告書作成
4)民間業務におけるブログ記事差作成
5)メール文面の検討活用

生成AIだけに、文章作成や要約といった業務が得意分野ですね。
また、打ち合わせ等からレポートを作成する為に、音声メモデバイスや文字起こしソフト等も活用されており、それによって文章の作成時間をかなり短縮されているのが印象的でした。

(3)導入に向けての注意点

使いこなせばかなり効率的に業務をこなせるAI。しかしその活用にはやはりいくつかの注意点があります。
・ハルスネーション:経験されている方も多いかとおもいますが、文章を”生成”するツールなため、偽情報も紛れ込んでしまいます。
・完全な文章ではない:やりたい意図に完璧に答えてくれるわけではありません。まだ人間による最終仕上げが必要となります。
・AIの責任は自分が取る覚悟:プロのコンサルティングとしては「AIが作りました」は当然言い訳になりません。最期には自分が責任を取る覚悟が必要です。
・倫理・情報セキュリティーへの配慮が必要:特にインプットした内容を学習に利用されてしまう設定には注意が必要です。

3.まとめ

使いこなせばかなり強力な武器となるであろうAI。しかし使いこなすまでの試行錯誤はもちろん必要だと感じました。また、AIが作ってくる文章は当たり障りのないものになりがち。それを元に、いかに自分の文章として特徴を出していくかが重要だという言葉がとても印象強く残っています。
今後使いこなせるかどうかで大きな差が付きそうなAI。それは中小企業だけではなく診断士も同じだと再確認すると共に、当研究会を通じて活用への取組をさらに進めたいと感じた月例会でした。